いよいよ、本題の体験談をお届けします。
バラクーダの群れを追いかけて撮影に熱中するあまり、
DECOを出してしまった頃の私とは
経験もスキルも倍以上違う時期に行ったディープダイビングの話です。
この時の体験は、
「恐怖と楽しさ、好奇心が全部一緒になった感覚である」
と言い表すことができます。
恐怖というのはもちろん、
今、ここで空気がなくなったら?
ガイドとはぐれてしまったら?
という”もしも”の危機感です。
一方の楽しさ・好奇心は、
諸々の器機に表示される数字との格闘です。
その水深に留まれる時間をいかに引き延ばすか、
タンクの残圧をどうコントロールするか、
今視界にある風景の中に、何を見るかということです。
水深が深くなると、エサとなるプランクトンが減るため、
魚の姿を見かけなくなります。
日光が届かない青一色の世界に、
どんな生き物がいるのか?
“実際に見る”という行為そのものが、貴重な体験となるのです。
くわえてもう一つ貴重な体験となるのが、
全身にかかる水圧の感覚です。
30m付近でも同様のことがいえるでしょうが、
真上に浮上することが、本当に難しいと思えるのです。
これは、階段よりスロープの方が楽と感じることと
似ていると思います。