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海に溶けている資源

皆さんは、

「海水には、50億トンもの金が溶けている」

という話を聞いたことはありますか?

 

あるいは、

「私たち人間の体を構成している元素組成は、海水に似ている」

という話はどうでしょうか。

 

そして、この二つの話に共通しているのが、

金属元素です。

 

人間の体には、鉄や亜鉛、マンガン、コバルト、

銅やニッケルなど、生命活動を維持するための金属系元素が、

12種類も含まれています。

このほかにも、金や銀、アルミニウム、ストロンチウム、

ルビジウムといった金属も含まれているそうです。

なお、これらが人体の中に占める割合は、

極微量であることがわかっています。

 

昨年1月、海洋研究開発機構と株式会社IHIの研究チームが、

温泉水から金を回収する方法を開発しました。

その方法とは、ラン藻を加工したシートを用いて

金を吸着させるというものです。

 

開発のきっかけは、数十年前に行われていた

ラン藻が金を吸着するという研究で、

以降は進展のないままだったようです。

 

実験の結果、最高で1トンあたり

30gの金の採取に成功したそうです。

 

2023年中に、伊豆諸島にある海底熱水鉱床に

シートの設置を行ったそうなので、

そろそろ成果報告を聞くことができるかもしれませんね。

 

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海を活かす

地球面積の約7割を占めているといわれる海ですが、

その全容はいまだにわかっていません。

 

人類がヒト属、ホモ・サピエンスとして

地上に誕生してから約40万年~25万年が経ちましたが、

真の深海へはまだ誰もたどり着いていないのです。

 

なお未開の地ともいえる海は、

近年さらに注目を集める場所となりました。

 

それというのも、2009年公表の

国連環境計画報告書にて定義された

「ブルーカーボン」が、SDGsの特集番組や関連記事で

再び取り上げられるようになったからです。

 

沿岸生態系や海藻類の環境を整えることで

実現可能だとされているブルーカーボンですが、

CO2吸収のためにこの仕組みを活かす取り組みは、

容易とはいえないようです。

 

なにより、植物や藻が成長するためには

時間がかかります。

 

CO2の吸収率が高いことで知られているマングローブ…

正しくはヒルギ類といいますが、

70cmほどに成長するまで2~3年かかるそうです。

くわえて、植物寿命は45年と短命なのだとか。

 

こうした特徴があるヒルギ類をブルーカーボンとして

活用するためには、2~3年の間隔を開けて、

活性化のローテーションができるように

植樹計画を立てる必要があるといえるでしょう。

 

 

 

この度発生した令和6年能登半島地震において

被災した皆さまへ

平穏が一日でも早く戻りますよう、

お祈り申し上げます。

 

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海の在り方について考える

日々、海を研究している多くの方たちによって、

歴史や生物、地形、潮の流れなどが解明されています。

 

海に関する研究分野としては、

海流の流れの記述や研究を行う海洋物理学、

海洋に存在するすべての物質の研究を行う海洋化学、

海洋に生息する生物の生態系などを研究する生物海洋学(海洋生物学)、

海底の地質を研究する海洋地質学などがあります。

 

概要を列記しても、ピンとこないかもしれないので、

私たちの生活に深く関わっている研究をピックアップして、

ご紹介します。

 

海洋物理学…地震発生時の津波の高さや速度を計算して公開します。

海洋化学…医薬品などへ利用するための有用物質の抽出研究を行います。

生物海洋学…サンゴなど生体の保護が必要な生き物の研究をします。

海洋地質学…海底ケーブルなどの設置を行う際の、地盤調査を行います。

 

地球の7割は、海です。

資源の大半が海にあるといっても過言ではありません。

 

また、海上保安庁では、「未来に残そう青い海」をスローガンとして、

海洋汚染調査や、環境保全に関する指導や啓発などを行っています。

 

私たちができることは、

海洋問題のすべてを人任せにしないことだと思います。

まずは、砂浜のゴミゼロを実現させたいですね。

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海という字の成り立ち

水に関係する漢字には、「さんずい」という部首(偏)がつけられます。

さんずいは、流れる水から生まれた象形文字です。

 

では、海の反対にある毎の漢字の成り立ちは?

 

じつは、これ「髪飾りをつけて結髪する婦人」という象形文字です。

 

漢字そのものは中国からやってきたもので、

この「毎」という漢字は、当時「いそしむ」という意味で使われていました。

 

漢字の元になった旧字よりも前の、

古代文字である甲骨文字・金文・篆文(てんぶん)の順に見ていくと、

より漢字の成り立ちがわかるような気がします。

 

女性が祭祀にはげむことから作られた字ですが、

その後登場した別の言葉に当たる文字がなかったため、

「当て字」とされたことで、意味も変わってしまったのだそうです。

 

この「海」という漢字は、

会意形声文字といわれています。

これは、二つ以上の漢字を組み合わせて意味を持たせ、

まったくの新しい文字をつくる会意文字と、

音の文字と意味の文字を組み合わせて、

新しい文字をつくる形成文字の

両方の特徴を持ち合わせている文字のことを指しています。

 

どうやら、「海」の字が「うみ」と読まれるのも当て字のようです。

 

何気なく使っている文字も、

こうして考えてみると面白い発見がありますね。

 

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日本が抱える海関連の問題

日本は島国です。

そのため海に関する問題が、

毎日のように話題となっています。

 

SDGsに盛り込まれたこともあって、

海洋ゴミにばかり注目しているような気もしますが、

そればかりではありません。

 

地球の温暖化は日本だけの問題ではなく、

世界規模の問題ですが、

日本の海洋資源に関わるものでもあります。

 

海洋資源といえば漁業となるわけですが、

実は不漁となっているのは日本だけという話があります。

 

というのも、海の中に境界はなく、

回遊魚は海の中を自由に泳ぎ回っているからです。

海流の蛇行による温度変化で

移動ルートが変わったとしても、

通り道上における漁獲量は

どの国も、ほぼ同じ条件になるというのが前提です。

 

例えば私たちは、ニュース番組を通じて、

「今年のサンマは不漁だ」という話を耳にします。

でも、「世界全体での水揚げ量は、昨年を上回りました」

という話は耳にしません。

 

先日魚売り場で、パッケージのラベルを

じっくり眺めてみましたが、

輸入魚であっても「養殖」の文字が多いように思いました。

 

もうお分かりかと思いますが、

世界の漁業は、天然魚の水揚げから、

養殖による持続可能な生産へと移行しているのだと思います。

 

日本も、持続可能な漁業を行ってほしいです。

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ダイバーと潜水士

今更ではありますが、

ダイバーと潜水士の違いについて

説明できますか?

 

わかりやすいところでいうと、

潜るために必要なライセンスの種類が違います。

 

ダイバーのライセンスは、

NAUIやPADIなどの民間団体より発行されます。

潜水士は、国が認定を行うため国家資格となります。

 

どちらも規定では水深40mまでの潜水が可能となっていますが、

特殊救難隊に限り、2015年(平成27年)11月より

水深60mまで潜水作業可能範囲が拡大されました。

 

スクーバダイビングのライセンスを取ることは簡単で、

夏が近くなると、「Cカードを無料で取得」といった

広告をよく見るようになります。

実際、必要な知識を学ぶ座学とプール実習を行えば、

現地実習を兼ねて海に潜ることができます。

 

一方で潜水士の場合は、

毎年1月、4月、7月、10月に試験が実施されており、

18歳以上であれば誰でも受けられます。

 

潜水士試験は筆記のみですが、

受験者のほとんどは警察学校や、

海上保安学校の生徒なのだそうです。

 

なお、合格率は80%といわれているのですが、

一般の人がいきなり試験を受けても

合格できないと思います。

 

履歴書に記載できる資格であることも、

Cカードライセンスと大きく違う点です。

 

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クレイジージャーニーの海

2022年12月5日に

放送されたクレイジージャーニーに、

鍵井靖章さんが登場しました。

 

鍵井さんは、フォトツアーを度々行っていて、

私も一度だけ参加したことがあります。

 

基本的には、ファンダイビングですが、

船の上で、その日に撮影した

「自分が最高と思う一枚」をモニターに映しながら、

改善ポイントや使用機材に関するアドバイスをもらうことができます。

 

写真派ダイバーにとっては、

ものすごく勉強になるツアーです。

 

その時の話題で印象に残っているのが、

「撮影中に着底するか否か」でした。

 

結論、

「生き物の姿が見えない砂地であっても、

1cmくらいは浮いたまま撮影する」

ということになったのですが、

館山でのVTRでは、

直立の姿勢で着底していたように見えました(笑)

 

もちろん、着底したほうがよい海況・状況となることもあるため、

責めたりしません。

 

それよりも、ダイビングポイントではない海へ潜り、

撮影を続けられていることを称賛したいと思います。

 

情報を追加しますが、三陸にはダイビングポイントがない

ということはありません。

三陸ボランティアダイバーズらの活躍もあって、

陸前高田や大船渡、釜石などの海には

これまで通り潜れるようになっています。

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海で使う日焼け止めについて

夏のレジャーを満喫するために、欠かせない日焼け止め。

現在、国内で販売されている日焼け止めには、

紫外線吸収剤もしくは紫外線反射材が

使われています。

 

実は、近年、この「紫外線吸収剤」が、

海の環境に様々な影響を与えることがわかってきました。

その影響が顕著にみられるのはサンゴで、

白化の促進や、赤ちゃん(幼生)の成長の阻害が認められています。

 

こうした研究結果を受けて、

パラオは2020年1月より、

紫外線吸収剤を含む製品の輸入や販売、

さらには持ち込みを禁止するという措置が取られています。

 

また、ハワイでは2021年より、

紫外線吸収剤を含む商品の販売が禁止されました。

 

日本では、まだ規制措置は取られていませんが、

海の環境を守りたいと思うのであれば、

まずは自分から行動を起こすことが大切だと思います。

 

以下、パラオで禁止されている化学物質の名称を掲載しますので、

お手持ちの日焼け止めが該当するかどうか

確認してみましょう。

 

○紫外線吸収剤として

オキシベンゾン、オクトクリレン、

オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)、

エンザカメン

 

○防腐剤として

メチルパラベン、エチルパラベン、

ブチルパラベン、ベンジルパラベン、

トリクロサン、フェノキシエタノール

 

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実は海は……

今年も、ヨーロッパやアメリカのカリフォルニアで、

大規模な山火事が発生しています。

7月の平均気温が23℃であるロンドンでさえ、

今年は40.2℃を記録しました。

 

自然発生する山火事は、

これまでも毎年発生してきました。

しかし、近年では人的要因による山火事の方が

多発しているといわれています。

 

森林が燃えると、

「森林が生み出す酸素量が減る」

といわれることがあります。

 

しかし、森林ジャーナリストの田中敦夫氏は、

「森林が生み出している酸素量は、

成熟した森では皆無である」といいます。

 

もし、森が空気中に存在する酸素を生み出していないというなら、

私たちが生きるために必要な酸素は、

どこからきているのでしょうか?

 

もうお分かりかと思いますが、

それは「海」です。

 

実は、呼吸に必要な酸素の約50~85%が、

海に生息している植物プランクトンや海藻、

シアノバクテリアという光合成を行う生物によって

作り出されているのです。

 

光合成を行う動植物にとって、

光がさえぎられることは致命的なことであり、

海においては、「赤潮」が該当します。

 

赤潮の発生源は、人の手で減らすことができます。

 

地球の環境と海を守るためにも、

できることをしたいと思います。

 

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秋はダイビングのベストシーズン!美しい海の世界を楽しもう

ダイビングは

マリンスポーツの代表格!

 

ダイビングのベストシーズンと言うと

やはり「夏」

というイメージがありますよね。

 

実は、ダイビングにおすすめの季節は

「秋」なんです。

 

夏は海水が上昇するため

プランクトンが発生しやすい時期。

 

そうなると

海水の透明度は下がります。

 

秋になると

海流が変わり

海の透明度はどんどん上がっていきます。

 

せっかく海に潜るなら

キレイな世界を楽しみたいですよね。

 

秋になると

海の生き物たちも動き出します。

 

世界各地の海を泳ぎ

移動している回遊魚たちは

大きな群れを作って移動します。

 

ちょうど秋頃には

南の島で生まれたばかりの

回遊魚が日本近海に

やってくる時期です。

 

秋は、

小さくカラフルで

可愛い回遊魚に

出会えるチャンスがあります。

 

海水も澄んでいるので

可愛い稚魚が泳ぎ回る姿を

楽しむことができます。

 

一年の中でも

この時期ならではの

楽しみ方です。

 

海の宝石とも言われる

「ウミウシ」の姿も

見られるかもしれません。

 

海の水温は陸上と少しズレがあり

1〜2ヶ月遅れと言われています。

 

10月の水温は

陸上で言うと

8〜9月くらいの感覚。

 

天気の良い日は

日光浴も楽しめ、

水中でも快適に

過ごすことができますよ。

 

夏よりも海に来る人が少ないので

プライベートな雰囲気で楽しめるのも

嬉しいポイント!

 

ダイビング初心者にも

おすすめです。